山本屋本店と山本屋総本家
2006年 12月 17日
とにかく、流動食が終わって、普通の食事を採れるようになってから、ずっと食べ続けた料理ですから、「刷り込み」は半端なものではありません。
名古屋特有の甘辛くて、濃い味が私はあまり好きではありませんが、何故、「山本屋の味噌煮込みうどん」だけは好きなのか、自分でもさっぱり理由がわかりません。
母親の作った味噌汁が一番美味しいというのに近いものなのでしょう。
さて、「山本屋の味噌煮込みうどん」に、「山本屋本店」と「山本屋総本家」という二つの「山本屋」が存在すると気がついたのは、東京に出てきてからです。
いつだったか忘れてしまいましたが、22、3年前に二つの紛らわしい名前があることを意識しました。
なぜ、「意識した」という言葉を選んだかというと、今回、二つのお店についてネットで調べても、いつから二つの名前に分かれたかという時期が私の記憶では特定できなかったからです。
ネットの情報によると、「山本屋」は大須で明治40年に創業したようですが、戦争のどさくさで無くなってしまったようです。
それぞれのHPを見ると、「山本屋本店」には、創業の年が書かれておらず、「山本屋総本家」には、大正14年創業と書かれています。
よって、相続争い云々というは、単なる噂で、最初から、違うお店であったと思われます。
しかし、何らかの理由で、お互いが「山本屋」の本家であることを主張し続けて、そのまま「山本屋」を名乗っていたので、同じ店だと思い込んでいたようです。
恐らく、私が意識し始めた頃に、裁判で何らかの結論が出て、最終的に異なった名前を名乗るようになったのだと推測されます。
では、なぜ、相続争いなどという噂があるのかという疑問に行き当たりますが、それについても、ネットであることを発見しました。
実は、「大久手 山本屋」というお店があるようなのです。そして、創業は大正14年を謳っていますので、源流は、「山本屋総本家」と同じだと思います。
「山本屋総本家」は4代目、「大久手 山本屋」は3代目ですから、それぞれの2代目までは、同じで、3代目の時に何かがあったと思われます。
これが、相続争いの噂の真相のような気がします。
さて、私が「山本屋の味噌煮込みうどん」を食べたことが一番多いお店は、「名鉄店」です。圧倒的に多いです。
そして、私が「山本屋」の本来の意味での本店として意識していたお店は、栄のプリンセス通りの側にありました。今は、無くなってしまい、以前の場所の近くにビルを建てています。
古い由緒ある建物で、ちょっとした和食の老舗の雰囲気がありました。すごく好きな雰囲気でしたね。
私は、そこで初めて「一半」(要するに大盛のことです)が、あるのを知りました。また、独特の太い箸も私の知る限りこの本店だけにしかありませんでした。
前述の2店舗は、現在、「山本屋総本家」として営業しています。
しかし、随分前から、「大門本店」でも、「中日ビル店」でも食べた記憶があるのです。
その記憶の中では、どのお店も同じ「山本屋」のイメージしかありません。
しかし、この2店舗は、現座、「山本屋本店」として営業しています。
結局、10代の記憶がメインですから、味が違っていても気がつかなかったのかもしれません。
或いは、私の食べた回数は、圧倒的に「山本屋総本家」の「名鉄店が」多いですから、私が言うところの「山本屋」は「山本屋総本家」ということになるのでしょう。
だから、「山本屋本店」を「山本屋本店」と意識して食べた時に、麺の感じが全然違ったのは、そのせいではないかと今は思っています。
私のイメージする「山本屋の味噌煮込みうどん」の麺は、固いですが、固いのは芯の部分だけで、まわりは味噌が十分にしみこんでいました。
すなわち、味噌がしみこむとふにゃふにゃになるのが普通であるのに、「山本屋の味噌煮込みうどん」の麺は、味が十分しみこんでいるにもかかわらず、アルデンテの歯ざわりがあり、麺自体に、独特の旨味があったために美味しく感じられたのです。
しかし、ある時に食べた「山本屋本店」の麺は、今はやりのしこしこの弾力感があるだけで、味噌の味がしみていないのです。
また、味噌自体も上品っぽい味にしているのですが、肝心のコクが足りなくなってしまっていました。味噌の味にコクがなくて、薄っぺらな味になったと「大門本店」のお会計の時に文句を言ったのを今も覚えています。
ずっと、前からこの味であったのであれば、私の文句は的外れということになりますが、小さい頃も「大門本店」で食べているはずなのです。
従って、どこかで麺と味噌を変えたのは明らかです。
そんなわけで、ある時、錦の「山本屋本店」で食べてから、出来る限り間をあけずに、「山本屋総本家」の「本店」で、食べてみました。
これによって、私は完全に混乱しました。
確かに麺については、「山本屋本店」よりもはるかに昔に近い感じなのですが、麺自体の旨味が無くなっています。
また、ひどかったのが、味噌の味で、明らかにしょっぱすぎるのです。
甘くてしょっぱいのがこのうどんの汁の特徴ですが、そこにダシの味が十分感じられ、旨味とコクがあるからこそ、美味しいと感じるのです。
ただ、しょっぱいだけの味噌汁に入ったうどんを美味しいと思うはずがありません。
その時は、まだ、「山本屋本店」の方が、不満はあるけれども、美味しいと思いました。
そこで、先日「山本屋本店」の「桜山店」に伺ったのですが、値段が高いだけで全然美味しくありませんでした。もうここでは、詳細は書きませんが、一言で言えば、ダシが効いていないので、旨味とコクを感じないのです。
両店とも昔よりも原価を下げたのかもしれません。値段は馬鹿みたいに上げているのに。
とにかく、「味壺」と同じで、私にとって「山本屋の味噌煮込みうどん」は幻の食べ物になってしまいました。
幻にしたくないので、今私は、二つのことを考えています。
一つは、もう一度だけ、秋葉原に行って、「山本屋総本家」で味を確かめるということ。
一つは、今回、ネットで知った「大久手 山本屋」に伺ってみること。しかし、大久手にあるお店は潰れたと妹が言っていたような気がします・・・・・。
この二つしかありません。
悲しい。この悲しさは、皆さんにはご理解頂けないでしょう。
本当に美味い「山本屋の味噌煮込みうどん」が、どうしても食べたいのです。
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by direct3935 | 2006-12-17 02:32 | グルメ