人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「本当に美味いもの」ってなんですか?

何をもって「本当に美味いもの」と言うのですかというご質問を受けることがあります。
また、「偉そうにわかったような評論をしやがって」とお叱りを受けることもあります。

客観的な意味での「本当に美味いもの」がなんであるかは私にはわかりません。
あえて申し上げれば、より多くの人に支持を受けている食べ物は客観的に「本当に美味いもの」である可能性が高いとは言えるでしょう。
ただし、人気のあるものでも、まっとうな仕事がしてあるものと嘘やインチキがまかり通っているものが玉石混交しています。まがいものはいつか自然淘汰されていっているように思いますが・・・。

私が言っている「本当に美味いもの」とは、「(私が)本当に美味い(と思っている)もの」ですね。あくまで主観的な話です。ただ、なぜ美味いと感じるかについてはかなりはっきりした基準が自分の中で確立されていて、論理的に判断できるようにはしています。

まずは旨味を感じなければなりません。これは私に限らず、人は旨味を感じないと美味しいとは思いません。
ただ、この旨味も綺麗な味でなければ僕の場合は美味しいとは感じません。
綺麗とはすなわち、雑味(苦味等旨味をじゃまする味)がなく、化学調味料で作られた不自然な味のために後味が悪くなることがないという意味です。

そして、旨味を十分に感じるためには、味が薄すぎても濃すぎてもいけません。旨味を一番感じやすいポイントがあるのです。
もちろん、酸っぱすぎる、苦すぎる、甘すぎる、辛すぎるというように味が強いのも駄目です。素材本来の旨味がわからなくなります。

また、品質の高い調味料であってもその調味料の味をストレートに感じてしまっては駄目です。
調味料そのものの味を感じてしまって、素材の旨味を感じないからです。
よく私がレビューコメントに書いていますが、素材にあまり味がない場合に調味料やタレで誤魔化そうとするお店が世の中には存在します。
これは駄目です。邪道です。
ただし、高級素材が使えない家庭での料理の場合は、逆に上手く使うべきだと思います。
お客からお金をもらって提供する料理でそれをやらないで下さいと申し上げているだけです。

よく、味に深みがあるという表現をしますが、これは、旨味がじんわりと染みてくる感じで、旨味の余韻が口の中に残る場合に使います。旨味がだんだんと増していき、感じる時間が長いという意味です。
コクがあるというのは、旨味が強いという意味です。味が強かったり濃かったりするのではなく、一番感じたい旨味の部分だけを強く感じるという意味です。

あとは、バランスですね。旨味を最大限に引き出すようにいろいろな味がバランス良く配置されているかということです。
そして、旨味同士のバランス、絡み合いも大切です。鮨ならば、シャリの旨味とタネの旨味がバランス良く絡んでいるか、ラーメンならば、スープの旨味と麺の旨味がバランスよく絡んでいるかという点が重要になってきます。

いろいろ書きましたが、最終的には自分の好みかどうかで決まります。
だから、とんしの「本当に美味いもの」はあくまで主観的な評価でしかないのです。どうも、世の中にはこの肝の部分を勘違いされておられる方がいらっしゃるようで、困ってしまいます。
私などは、自分自身が美味いと感じたものは他の人もみんな美味いと感じるんだと本気で思っている人に出会ったら、恐ろしさのあまり、凍りついてしまうでしょう。
自分と価値観の違う人は認めない人間・・・。
そのようなご性格の方とは、絶対に関わり合いを持ちたくないですね。

http://www.rak1.jp/one/user/11099447/

by direct3935 | 2006-04-18 00:32 | グルメ  

<< 冷やし中華 いま、会いにゆきます >>