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接客 その一

接客というと高級店を思い浮かべるかもしれませんが、レストランは客商売ですから、定食屋さんだろうが、居酒屋さんだろうが、心のこもった接客をすべきだと思います。

以前、一人で日本橋三越のそばにある、超高級と言われている天ぷら屋さんに伺いました。私は、茅場町「みかわ」の早乙女さんが揚げてくれた天ぷら以上の天ぷらはこの世にないと思っていますが、このお店の天ぷらが日本一だと仰る方も大勢いらっしゃいます。
店構えは、「わびさび」を感じさせるような老舗の雰囲気で、陶芸家、画家といった芸術家の常連が多いお店でもあります。
また、天ぷらに使う素材は、日本一だとも言われています。

こちらのお店には、予約して伺いました。比較的早い時間に伺ったので、私が入店した時には、他にお客さんはいらっしゃいませんでした。
カウンターのお店なのですが、席に案内されてびっくりしました。カウンターの角に座らせるのです。少なくても高級と言われるお店(まあ、支払いが1万円を超えるお店としましょうか)で、予約したお客をカウンターの角(隅じゃありませんよ、角です)に座らせるというのは前代未聞です。。
角はないでしょ、角は。とても、食べにくいし、他にお客さんがいないにもかかわらず、わざわざ角で高級天ぷらを食べさせられる屈辱感というのは、言葉に表すことができません。

まあ、そうは言っても、自分が一番最後に予約したのかもしれないと、気を取り直しました。
しかし、そうではありませんでした。確かにその後で予約客が数名やってきましたが、結局2~3席は空いたままでした。
料理も半ば過ぎた頃、私は、その空いた席に移されました。突然、常連客が来る場合を想定して、私は最初から通常のお客には決して座らせない席に通されたのでした。
確かに、このような超高級店に、常連でもないのに一人でやって来るお客はほとんどいないでしょう。
しかし、・・・・・。
「一期一会」
「わびさび」は店構えだけなのでしょうか。

高級店だからといって、お客がわがままを押し通すのはいかがなものかと思いますが、もてなしの心を忘れてしまったお店というのも問題です。
レストランで食事をする場合、その料理が「本当に美味しいもの」として頂けるか否かは、接客も重要な要素となります。人間には感情があるのですから、気分が悪ければ、美味しいものも美味しいとは感じなくなってしまいます。

以前、「味壺」のご主人に、プライベートで料理を作ってもらった時に私が言いました。
「ほんとに、○○さんの料理は、ありきたりの材料を使って作ってもらっても、死ぬほど美味しいね。」
「当たり前ですよ。○○さんへの愛情が入っているから。」
あー、こんなことを言ってくれる女性がいたら、今すぐにでも結婚したい!
でも、また、こんなこと言っていると女性は引くんだよなあ。そのうちに女性に相手にされなくなるな。

料理には愛情が大切です。これは、気持ちだけの問題ではありません。同じ材料、同じ手順で作っても、すこしでも美味しく食べて貰おうという気持ちがあれば、微妙なところで味自体も変わってくるのです。真剣に、丁寧に料理をすればするほど、味は良くなるに決まっています。

お客に対する愛情があれば、当然、接客も良くなるはずです。少しでも美味しく召し上がってもらおうという思いがあるなら、自然に接客は優れたものになります。
人に食べてもらう料理は、人が作り、人がもてなすことにより成り立つものなのだから。

http://www.rak1.jp/one/user/11099447/

by direct3935 | 2006-03-13 14:19 | グルメ  

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